尾田 龍
尾田先生は椿の花をよく描かれたが、一方では『ひまわり』をこよなく愛された。それがアフリカシリーズでは紺碧の空の下の乾いた大地に生きる人々と重なる。
そして晩年、瀬戸内の海と島の重厚な作品は、海と陸と船泊まりと家並、それを掩う緑の生い繁った空とがせめぎ合い、それらの歴史と住民たちの息づかいを感じさせる。その奥にひそむもの、それはひまわりのもつ強靭な生命力を連想させた。
「播州でただ一人の、志を語る人を亡くしてしまった。」
内海繁さん逝去の報のときの尾田龍先生の言葉である。そして「私は横に一文字の線を描いた。内海さんの一筋の道を思いながら、あの暖かい人柄を表現するのは、ぬくもりのある線をと描いた。」と『播州平野にて 内海繁著』の装丁のときの心情を語られた。
播州という土地は 原始の地霊を秘めたままで現代をむかえているような気がする。
記 こちまさこ
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