長谷川弓子


1923(大正13)〜1990(平成2


姫路市出身。戦前から女性教養雑誌「婦人公論」は姫路市で読者が多かったが、太平洋戦争後では全国一の記録をもつ時期があった。それを背景に婦人公論愛読者グループ姫路支部が結成され、婦人の地位向上と社会的進出に目が向けられた。その中心的存在として長谷川弓子は、北条の自宅を開放し、同誌の読書会だけでなく、社会科学をはじめとする勉強会を開き、女性読者サークルや創作サークルのさきがけとなる。

婦人公論が内容を変質させた後は、独自の勉強会をもち、教育問題・平和と文化についての市民運動に積極的な参加を果たした。同時に作文・絵画教室も開いて、主婦の諸芸術とのかかわりに力を注いだ。一方、みずからも詩作にも励んで詩集『河畔のアルバム』を残している。姫路文化団体懇談会は、主婦の社会的制約の先駆性を評価して第一回姫路文化賞を贈った。



         記 市川宏三