志方 進
 

1934(昭和9)〜2001(平成13


 

 本名 安原進。

 揖保郡新宮町(現・たつの市)出身。

 

戦後の教師不足から代用教員をしていたが、まもなく離職。姫路に移住して大手住宅販売会社に就職し、余暇に新聞の投稿欄に詩の投稿をはじめる。創立間もない姫路文学人会議に加わり、最初は詩作だったが、まもなく小説に転じた。

同人誌で『姫路文学人会議(現 文芸日女道)』百号記念誌に発表した創作「鉋」で、姫路文化賞を受賞。

  これをバネに次々と小説を同誌に発表する。妻の死と残された遺児三人をめぐっての家庭物語は、従来の私小説の枠を越え、哀しみを主題に多くのファンをとらえた。

 詩集のほかに《志方進小説集》シリーズ五冊を出版する。一集『宵の星』、二集『鉋』、三集『くちなし心中』、四集『佐津の朝霧』、五集『ハンテンボクのある風景』。このほかにも詩集『山茶花』などがあり、これが志方小説の原点と作者はいっていた。

              記 市川宏三