受賞者プロフィール
姫路文化賞
            いのうえ  ひとし
井上 仁(洋画)
 たつの市在住の画家井上仁は、初期より現在に至るまで一貫して「土」をテーマに描いてきた。昭和30年末より数回にわたり大阪で個展を開催した。セメント、石膏、油絵具等の異質物を混入した厚みのあるマチエール(画肌)は、土蔵の古びた壁を連想し土俗的でもある。彼が行動美術展に出品を始めたのもこの頃であった。昭和40年代後半、大型のカンバスに多数の皺を作り、コンプレッサーで吹き付ける前衛的な手法を用いた。当時、播州では珍しい技法なので模倣する者がいたという。それらの連作は田園を題材にしたので「園」のタイトルをつけた。やはり田にいそしむ土着人である。
 昭和50年代初期の作品は技法が一変する。カンバスにアクリル、油絵具を使い、シルクスクリーンという版画の手法と手描きを併用した多彩な色調の作風となるが、田を題材に「土」というテーマが一層明解になり現在に至るのである。
 彼は高校の美術教育に長年たずさわった。その一方で農耕にいそしみ今も現役である。現在の農業は、機械化されたとはいえ苦労がつきものである。耕運機で掘り返した土から虫、蛙等の小動物がとび出してくる。彼は「いとおしい」とふり返る。それは自然との共生である。彼は「土」というテーマで50年以上制作にとり組む、根気強さと粘着性を持ち合わせた土着の画家である。

 
略 歴
1937 現・たつの市に生まれる。
1956 県立龍野高等学校卒業 関西展入選(大阪市立美術館) 京展入選(以後1回出品)
1958 光風会展初入選受賞(以後2回出品)
1960 京都教育大学特修美術科洋画卒業
1961 京都教育大学特修美術科洋画専攻科卒業


画歴抜粋
行動美術協会会員 第16回姫路市文化芸術賞「芸術賞」受賞
・光風会展 第44回光風会展入選、以後2回出品受賞2回
・行動展 第15回行動美術展入選、以後65回展(2010年)まで連続出品、第29回展より審査員、その間行動美術賞・会友賞・T賞・奨励賞受賞 
・招待展 第1回神戸新人展、兵庫県美術家祭典(県立美術館)、第7回現代美術選抜展(文化庁主催)、兵庫県現代美術展(県立美術館)、モダンアート展(姫路ルネッサンス・スクエア)、現代郷土作家展(姫路市美術館)、行動する25人の絵画展(県立丹波文化会館)、現代美術3人展(有方画廊)、大阪市立美術館記念展、兵庫の作家たち展 等
・グループ展 行動神戸会展、姫路アンデパンダン展、グループ「播」展、ARTKOBE80・81展、行動する21人展、行動美術播州作家展、輝く播磨の美術家展、ADVANCE PARTY展 等
・個展 白鷺画廊、戎橋画廊、画廊あの(3回)、姫路画廊、信濃橋画廊、画廊レンガ舎、不二画廊、姫路ルネッサンス・スクエア(3回)、アートホール神戸、赤穂市文化会館、ABCギャラリー、茶屋町画廊 等
・審査員 行動美術展、ルネッサンス・スクエアこどもの絵画展、姫路市展、赤穂市展、相生市展、豊岡市展、山崎町展、御津町展、太子町展、揖保川町展、上郡町展 等
・運営委員 姫路市立美術館、姫路美術協会、たつの市美術展 等


ひとつ山こえてみよう会(音楽)
 フォークソングとは、もともと民謡からはじまった音楽で、地元の言葉で暮らしの中から生まれる言葉を紡いで歌ったものです。
 しかし芸能界の発展とそれに伴う商業主義の蔓延で、多くのものが外見をよそおい、”受ける歌”づくりに走ってしまいました。本来の姿からは乖離していったのです。もちろん今でも各地に本来のフォークソングを歌っている個人やグループはありますが、そのほとんどが地元に根ざした活動を行っているため、なかなかその存在を知ることが出来ないのが現状です。
「ひとつ山こえてみよう会」は1981年4月に4名の20、30年代サラリーマンが集まって発足しました。グループ名は「もうひとつ花を咲かせてみようかい」をもじって名付けられました。その年の12月に「1合目コンサート」を行ない、以来、日々の生活やふるさとの自然、街の人びと、地域の歴史等をテーマに自分たちの言葉でオリジナル曲をつくり、30年ちかく歌い続けてきました。彼らの歌には地元はりまのにおいがします。はりまの自然と人びとを愛する気持ちが伝わってきます。いわば本来のフォークソングといえるものなのです。現在ではメンバーも10名となり、オリジナル曲は200曲を超えています。平均年齢も60歳に近づき、仕事の第一線からリタイアする年齢となりましたが、メンバーそれぞれの長年の社会経験が歌に味わいを与え、ますます魅力が高まっています。継続こそ力です。来年4月で30周年を迎えるのを契機に、より一層の活躍が期待されます。


結   成 1981年4月(当時メンバーは4名 現在10名)
代   表 守谷 忠彦(もりやただひこ)
バンドの理念 地元の暮らし、自然、歴史をテーマに、地域に密着した活動と創作を目指す。足腰をきたえ、バンド独自でも集客力をつける。
オリジナルソング 200曲以上を生み出す。そのなかで地元をテーマにした楽曲は50曲をこえる。
主な活動歴 1合目~10合目コンサート開催。半年に一回、1合目から10合目まで、足掛け5年かけて山を登りきる。
10合目は自治福祉会館で200名のお客様をむかえ盛大におこなう。
母子寮、手をつなぐ親の会X’マス会、歌で10年間参加。
86年、劇団プロデュース・Fの音楽劇『11匹のネコ』に音楽隊で出演。
同年、「笠木透フォークスコンサート in 御津」を立ち上げる。

     メモリアル(10周年)コンサート(キャスパホール)
91年11月、ホール満席で開催。10年の歩み・冊子「ひとつ山通信」をつくる。

     カンレキコンサート(イーグレひめじアートホール)
2003年、リーダーの守谷が定年をむかえ、この頃から活動が再び活発になる。

     メディア出演
2004年3月「兵庫に人あり・音楽で町おこし」18時台のNHKニュース神戸に守谷が出演。
同月、「ハローフロム兵庫」NHK海外向け公開録音に出演。

2004年12月「新舞子台風被害復興チャリティコンサート」を開催。
2005年5月「5月の風の中で」コンサート(イーグレひめじアートホール) ゲスト 益田兼太朗 熊谷晶子(筑前琵琶) 
同年8月~10月 ファーストアルバム録音(アンジースタジオ)

     詩集出版祝う会
2005年12月 守谷忠彦著『はりま・ふるさとの詩』出版を祝う会(新舞子荘)

     ファーストアルバム完成
2006年4月 地元はりまをテーマにしたオリジナルCD『LOCAL FIELD(ローカルフィールド)』全14曲発売。各方面より反響。2000枚プレス、約1500枚販売
同年7月、CD完成記念コンサート(イーグレひめじアートホール)

     夜桜ライブ
2007年4月、2009年4月、ガレリアアーツ&ティー 

2007年8月 「ひょうごヒューマンフェスティバルinたつの2007」(赤とんぼ文化ホール)に出演。

     賀茂神社コンサート
2007年9月 たつの歴史絵巻・御津編のメインイベントに参加、賀茂神社本殿前で歌う。

     オータムフェスティバル
第3回より5年連続参加。第5回で藤野ひろ子氏と共演。

2007年12月 灘菊酒蔵コンサート 初めてディナー形式のコンサートを企画、120席満席。

     第1回世界の梅公園ミュージックフェスティバル立ち上げに参加。

2009年8月 閉店する新舞子「まいこ苑」に感謝をこめてファイナルコンサートを企画実施。

     たつのソングス
歌で聴くたつのの魅力「詩歌の町から たつのソングス」制作(全14曲)。2010年3月発売。西はりまのアーティストによるオリジナルソング。

     林たかしカンレキコンサート
2010年6月(イーグレひめじアートホール)

     道の駅みつ「たそがれコンサート」
2010年8月(道の駅みつ・階段下特設ステージ)

     各種の地域イベントに出演
「梅まつり」「オータムフェスティバルin龍野」「城乾中学3年生謝恩会」「城乾校区夏祭り」「福崎町産業まつり」「書写養護学校夏祭り」「御津町文化協会芸能発表会」「広畑学園祭」「ネスパル安富コンサート」「香住・通玄寺コンサート」「パストラール加古川コンサート」「室津街道・お茶屋跡コンサート」「宍粟市ミルキーウェイコンサート」「佐用復興支援コンサート」「新舞子台風被害復興チャリティコンサート」他

代 表 曲 「この大地の上で」「のびやかに軽やかに」「八月の空」「柳田国男に寄する歌」「もったいない」「もうせんごけ」「桜月夜」「夢二の手紙」「室津街道」「風よ鳥よ」「いちかわ物語」「ふるさと」「はりまの散歩道」「水の生まれる町」「四季の涙」「メバル好日」「シンガー」「胸の痛み」「はりまシーサイド・ロード」「僕らの母ちゃん」「酒呑み人生」「映画に行こう」「祇園白川舞子さん」

文化功労賞
        ちもと  みさお                 
千本 操(地域文化)
 千本さんは昭和29年に茶道裏千家に入門、茶道・華道を深く究め、地域や学校などで青少年の指導、育成に尽力されています。とりわけ若い世代に古典、伝統文化を引き継いでもらうために開いている「五気の会」は、青・壮・老の三世代混成で運営されており、幅広く講師を選択している点でもすぐれています。兵庫大学の茶道講師、裏千家淡交会役員、半どん播磨の会役員、東ハリマ文化連盟ハリマ大茶会実行委員、加古川能の会副会長、加古川いけ花協会理事、主に青少年を対象とした日本文化の発展昂揚と文化芸術・学術の振興および交流を目的に設立されたNPO法人アクイラ(阿久伊羅)の副理事長をつとめ、好古園での茶会奉仕や、自宅での茶華道の指導につとめられています。さらには法華宗吉生院の住職として宗教家の立場からも文化・奉仕・平和活動にたずさわってこられました。それらの活動は国内にとどまらず、海外にも及び、昭和63年には日米文化交流のためにフェニックス市で茶会を開催、また国際ソロプチミスト加古川の会長として、実業界で活躍する女性の国際的な奉仕や、女性と女児の生活向上のための活動に貢献されています。広範な業績に敬意を表し、文化功労賞に推薦します。


・法華宗寺院 吉生院住職
・兵庫大学茶道講師
・昭和59年度NHK兵庫県視聴者会議委員に就任
・東ハリマ文化連盟東ハリマ大茶会実行委員
・1988(昭和63)2月、日米文化交流親善のためアメリカ・フェニ 
 ックス市で茶会
・加古川市いけ花協会理事
・国際ソロプチミスト加古川会長
・加古川 能の会 副会長
 茶名 宗味(そうみ)

 

            やまもと いさお
山本 勲(児童合唱)
 ようやく荒廃した戦後の混乱から抜け出して、多くの文化活動が活発に行われるようになってきた1970年ごろに、児童合唱団が全国各地に誕生したが、姫路市児童合唱団は早くも1963年10月に結成された。
 氏は1965年に指導者に迎えられ、以来、教鞭をとるかたわら長きにわたって指導をつづけ、1997年に教職を退くと団長を兼任、2009年3月まで40数年にわたって児童合唱とともに歩んでこられた。全国的に見てもまれなことである。
 氏の音楽にたいする情熱と見識、きびしい指導のなかでみせる、あたたかい心づかいは、児童のみならず保護者の絶大な信頼を得た。

この間、定期演奏会や諸事業への協力、客演、合唱祭をはじめ各地の合唱団との交流、ヨーロッパ演奏旅行など、多彩な活動を行ってこられた。
 氏の活動でもっとも特筆すべきことは、毎年入れ替わる団員の能力や特性を見抜いて、各々に応じて、エチュード(練習曲)の意味もこめた、児童のための合唱曲を多数、作曲されていることである。

略 歴

1957年5月 姫路市の小学校教員となる。以後40年間勤める
学級担任の他に音楽科を担当 校内音楽会や姫路市の合同演奏会に出演
1965年2月 姫路市児童合唱団指導者となる
児童のための合唱曲を多数作曲する
毎年、姫路市児童合唱団定期演奏会・兵庫県児童合唱祭・全日本少年少女合唱祭・姫路市その他から依頼された演奏会等に出演
1994年8月  ヨーロッパ演奏旅行(ドイツ・オーストリア・フランス)
「シャンティイの姉妹城で合唱交流」
1997年3月  定年退職(最終校=姫路市立大津小学校)
1997年4月  姫路市立児童合唱団 団長兼指導者 
自作の曲を自費出版する 
兵庫県児童合唱連盟 常任理事~副理事長 
全日本少年少女合唱連盟 監事~常任理事 
2000年8月  ヨーロッパ演奏旅行(ドイツ・オーストリア・チェコ)
「ハノーファーEXPO記念招待で演奏」
2008年4月  兵庫県児童合唱連盟 理事長 
2009年4月  姫路市児童合唱団 顧問 

主な作品
組曲『手柄山の風景』1972  合唱組曲『大塩』1974  『白鷺の城の詩』1975
『安寿と厨子王』(山椒大夫より)1978  『マッチ売りの少女』『赤いくつ』1980
『人魚姫』1981 『赤ずきんちゃん』1982 『セロ弾きのゴーシュ』1983
『青い鳥』1986 『長靴をはいた猫』(ペロー童話集)1987
『花咲き山』『笠地蔵』1988 'A Christmas Carol'1991 
『ピノッキオの冒険』1992 『白雪姫』(グリム童話集)1993
'A Dog of Flanders'1994 『ひいふう山の神』1995

 



黒川録朗賞
ガレリア アーツ&ティー(ギャラリー)
 龍野生まれで龍野育ちの井上美佳さんは、城下町・龍野の風景と人情に包まれて育ってこられた。年を経るごとに、井上さんの龍野を見つめる目と心は、他の町にはない魅力をますます認識するようになる。「宝物を見つけた」といったような町への思いは大きく膨らみを増して、ついには龍野の町を生かしたレトロな喫茶店とギャラリー「ガレリア アーツ&ティー」を1999年11月にオープンさせた。井上さんが朝な夕な目にしていた古い銀行を再生させたものだ。
 そこでは、地元から享受し還元することを基本理念とした、絵画や工芸などの展覧会や、ジャズやクラシック、和楽器などのコンサート、ワークショップなどを企画運営。また、お茶を飲みながら語学や文学等を楽しむカフェレッスン、カフェ・エクリ、カフェサークルなどを企画。年に40回以上、これまでに500回近くのイベントを開催。アートを身近に、居心地の良い空間つくりをめざして12年目となる。さらに「オータムフェスティバルin龍野」の実行委員やシンポジウム「姫新線を生かした地域つくり」のパネリスト等に参加。専門に学んでこられた家政学を自在に発揮させ、町おこしを単発のお祭りに終わらせない、未来につなげていく姿には目を見張らせるものがある
 美味しいお茶と良質な芸術展示を求めて県内外から訪れる人々は多く、「ガレリア アーツ&ティー」は街の灯火となっている。


代 表 井上美佳(いのうえみか)
略 歴
1958 たつの市龍野町生まれ
日本女子大学家政学部生活芸術学科卒業
日興證券姫路支店に5年間勤務後、専業主婦をへて1992年から8年間、家庭科の非常勤講師として県立山崎高校、姫路東高校に勤務
1999年11月  「ガレリア アーツ&ティー」をオープン
アートを身近に、居心地の良い空間づくりをめざす

これまでの主な展示・ライブなど
2000年2月 岩田健三郎「龍野パノラマ絵巻展」
2005年11月 5周年記念「松谷武判・ケイトバンホーテン二人展」
2007年3月  「安部安人展」
2008年3月 姫路文連 茶座「いま・はりま」-ミュージアムからの発信-第5回「アートを身近に~龍野から9年目の発信」講師
2009年3月 「秦泉寺由子の世界展」
    10月 ジュスカ・グランペール10周年ライブ
    11月 10周年記念「来住しげ樹の小宇宙」
2010 2月より月に一度のジャズセッションデー
9月より毎月、小林俊介のジャジィーカフェ
9月 プリミティブアート「アフリカの布展」



           とね  ひでのり
利根 英法(邦楽)

小さい時より相生を拠点に幅広く活動する邦楽集団「秋桜」に所属。そこでめきめきと頭角をあらわして、全国小中学生筝曲の部で優秀賞を受賞。
 東京藝術大学在学中は、夏休みを利用して、仲間と全国各地にて演奏活動を行ない、卒業と同時に「箏七星」を結成、リーダーとして人間味のある世話役活動で信頼を得ています。
 彼は技巧に走りがちな若者ではなく、邦楽の正統的な演奏技術を学び、作曲家の意図を深くとらえて、心にしみ込む演奏で魅了させます。
 とくに2009年11月29日、久留米市で開催された賢順記念全国筝曲コンクールで見事優勝。このコンクールは筝曲の魅力を全国にアピールするとともに、新人奏者の発掘と技量の向上を目的とした、プロの登竜門として知られています。
 邦楽集団「箏七星」の名称のとおり、北斗七星のように目指す位置が定まり、星のように輝く、将来が楽しみな演奏家です。


略 歴

1981年9月  相生市に生まれる
・3歳より箏を植木高子に、16歳より箏・三弦を芦垣美穂に師事
・東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業
・第16回賢順記念全国筝曲祭コンクール最高位「賢順賞」受賞
・NHK教育テレビ『「芸能花舞台」~今、最高の芸~』賢順賞受賞曲『吼噦』で出演(三弦・芦垣美穂)
・テレビ朝日主催『サロメ』に篠井英介・森山開次・江波杏子・上條恒彦・池上眞吾とともに箏・三弦で出演)
舩川利夫追悼コンサートに藤原道山とともに箏で出演
第92回世界エスペラント大会『日本の夕』、横浜港未来大ホールにて記念演奏
第19回『JAL東福寺音舞台』に「和楽器オーケストラあいおい」で出演(2006年10月1日全国TBS系にてTV放送)
同期生7人の邦楽ユニット「箏七星」を結成し、相生市にて第1回「利根英法リサイタルwith箏七星」を開催
「箏七星」コンサート全国ツアーを相生からスタートし、岐阜・東京・熊本で公演。
2010年 皇太子御臨席のイートンカレッジ”聖歌隊”東京公演に出演
現在、全国各地で演奏、ライブを行ない、古典をはじめ歌曲、和太鼓、シンセサイザーなど様々なジャンルの楽器との共演にも力を入れている
一穂会、宮城会、森の会、和楽器オーケストラあいおい、邦楽集団秋桜、雅の会 会員



    
ひめじクラフト・アートフェア
          (美術工芸)

毎年5月にシロトピア記念公園で開催されている「ひめじクラフト・アートフェア」は、全国からクラフト・アート作家が自作品を持ち寄り、自らの手で展示、販売をする野外イベントです。木工、陶芸、染色、金工、ガラス等、量産品ではない、手作りの良さを感じたり、作家本人とのコミュニケーションを楽しめる、いまや市民のみならず、多くの人が楽しみにしている春の一大イベントとして定着しています。
 実行委員会代表の乾善弘さんが、クラフトフェアの発祥である長野県松本市での「クラフトフェアまつもと」に感動し、姫路の地にもこんなフェアができれば地域文化の向上にもつながるのではないかと考えたのがきっかけ。周りに声をかけ、熱意を語り、実行委員会を立ち上げました。行政の声援やスポンサーになってくれる企業もなく、すべての費用は作家の参加費だけ、作業は有志のボランティアに頼るだけで、第1回は、美術工芸館での作家数25組からスタート。2回目からは会場をシロトピア記念公園にうつし、実行委員会が手探りの苦労をしながら積み上げた努力が回を重ねるにつれて実を結び、応援してくれる方や来場者数も増え、市民にも認知されるようになりました。
 参加作家も増え、今では150組の枠に300組以上の応募がくるほどになりました。今年で記念すべき10回目の開催を無事に終え、このフェアを運営されてきた実行委員会のこれまでの努力と、これからのますますの発展を期待します。


ひめじクラフト・アートフェア実行委員会代表
 乾 善弘(いぬいよしひろ)
事務局  〒670-0082 姫路市田寺山手町11-3
        TEL 079-298-0719

乾 善弘 略歴
1955年  姫路市忍町に生まれる
1989年 木のクラフト専門店「WOOD-TOP」創業
1996年  書写の里美術工芸館にて木工教室実施~以後5年間
2003年  兵庫県立星の子館にて親子木工教室実施~以後3年間
2007年  兵庫県立教育研修所キャリアプランニング ワークショップ講師
ひめじクラフト・アートフェア略歴
1999年12月  実行委員会設立
2000年 5月  第1回開催(書写の里美術工芸館)
2001年 5月 第2回開催(シロトピア記念公園)
2002年 5月 第3回開催(   同上    )
2003年 5月 第4回開催(   同上    )
2004年 5月 第5回開催(   同上    )
2005年 5月 第6回開催(   同上    )
2006年 5月 第7回開催(   同上    )
2007年 5月 第8回開催(   同上    )
2008年 5月 姫路菓子博開催のため休止
2009年 5月 第9回開催(姫路城東御屋敷跡公園)
2010年 5月 第10回開催(シロトピア記念公園)




          ふじもり  ひさよし
藤森 久嘉(写真)

写真の道に入って41年になる藤森氏は、写真創作でもっとも大切なことは、「1枚の薄いペーパーの上に、いかに立体的に、人物あるいは事物を表現するか」だという。常にこう考えながら、終わりのない修業に励みつづけてきたポートレート写真家として、真摯な姿勢で写真とその被写体とに向き合いつづけ、数々のコンクールで作品を発表。さまざまな賞を受賞し、その後、コンクールの審査員としても活躍中である。そして多様な写真団体に所属する作家を集めて「ポートレート作家展」と題した写真展を19年にわたって開催し、人物写真の魅力を広く伝えてきた。
 また、未来を担う若者たちに写真の魅力を伝えるため、毎年、他業種の人びとと「ひょうご匠キャラバン隊」として中学校を訪問したり、高校生のインターンシップの受け入れ、「ちびっこカメラマン城を撮れ」という企画の指導員として参加したりと、精力的に活動を展開している。後進の育成にも尽力し、藤森氏のもとから多くのプロ写真家が巣立っている。

略 歴
1942年  静岡県磐田郡兵広瀬村神増(現・磐田市)に生まれる
1960年  静岡県立磐田南高等学校卒業
明治大学商学部商学科に入学
1965 東京銀座大倉商事㈱に入社
1967 日本写真専門学校㈱入学
1969 卒業写真展にて特撰及び全国工業連合会会長賞受賞
㈱オウチ写真場(姫路市)に入社
1999 代表となり現在に至る

賞 歴
1972 兵庫県展・大賞(兵庫県立近代美術館賞)
1973 姫路市美術展・市長賞
1984 関西写真家連合協会展・3年連続金賞(小川月舟賞)
1985 日本肖像写真家協会・日肖写賞
2008 国画会準会員推挙

役 職
 姫路市美術協会運営委員・(協)兵庫県写真師会理事長
・兵庫県写真技能士会会長