「人はどこから来て、どこへ行くのか」人類普遍のテーマを基調に講演がはじまると、会場の聴衆は「宇宙船Kuroda号」の乗客となって旅立っていくのである。講演のうまさに定評があって、国内外に引っ張りだこの人気学者で、その公演数は年聞に100を優に超えている。20年間の兵庫県立西はりま天文台公園勤務の間、延べ数千回の公演数は星の数ほどの聴衆に「宇宙的な人間のあり方」と面白さを伝えている。
2001年の4月から、西はりま天文台公園の2m望遠鏡計画がスタートしている。光を集める鏡の直径が2mもある望遠鏡は日本国内では最大となり、また公開目的の望遠鏡としては世界最大の大きさになる。ご存知「なゆた」の設置の意義は科学の世界だけにとどまらない。
本年7月には、姫路港発の皆既日食クルーズを企画・運営。乗客は宇宙の神秘を体験した。このような宇宙科学の理解促進は、「宇宙」というテーマでの文化の向上と発展の為の活動と一体のものである。地域住民は世界最高峰の研究施設に触れ、第一線の研究者と対話する機会を与えられ、大いに宇宙と人間の関係に対する興味・関心を深くすることとなった。
また、「入院患者と障がい者に笑顔とコンサートを贈る市民の会」に参加し、「笑顔の輪を広げる」ボランティア活動として、入院患者・障がい者・子どもたちへ芸術のすばらしさを届けた功績も称えたい。今後の「星の話と音楽の夕べ」「花北観望会」「子どものための科学の話」等の活動にも期待したい。
略 歴
1965年 |
兵庫県立姫路東高等学校卒業 |
1969年 |
香川大学教育学部卒業 |
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東北大学理学部天文学科研究生修了 |
1970年
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大阪市立電気科学館 天文研究室 学芸員 |
1989年〜2006年 |
兵庫県立西はりま天文台公園 天文台長 |
1995年〜2003年 |
兵庫県立姫路工業大学理学部 非常勤講師 |
1998年〜2002年 |
兵庫県立西はりま天文台公園 副園長・天文台長 |
2002年〜2006年 |
兵庫県立西はりま天文台公園 園長・天文台長
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2004年〜現在 |
兵庫県立大学教授 |
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兵庫県立大学自然・環境科学研究所次長 |
2006年〜現在 |
兵庫県立西はりま天文台公園 園長 |
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日本天文学会男女共同参画委員会委員長 |
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ペルーへ天体望遠鏡を贈る会代表 |
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国立天文台広報普及委員会委員 |
著書『宇宙を遊ぶ』(かもがわ出版)、『天文教室I』(恒星杜厚生閣)
現代天文学講座第13巻『天体観測セミナー』(恒星杜厚生閣)共著
現代地学教育講座13巻『宇宙・銀河・星』(東海大学出版会)共著
西はりま天文台発『星空散歩』(神戸新聞総合出版センター)共著
カラー版『天文学入門』(岩波ジュニア新書)共著 他
専門 天体物理学(星形成領域の小質量星、塵の観測的研究)
賞誉 国際天文学連合より小惑星に「KURODA」と命名される(天文学の普及に貢献)
ペルー・イカ地方政府よりアブラハム・ヴァルデロマル勲章(偉大な紳士勲章)
(ペルーへの天体望遠鏡寄贈等の貢献)
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